ニコニコ子育て〜保育の現場から〜⑤

掲載日:2017年10月1日(日)

【3歳児の子育て】

皆さんはポップコーンを作ったことはありますか?ポップコーン種をお鍋に入れ、火にかけるとポンポンはじけてポップコーンができます。3歳児の子ども達を見ていると、そのポップコーンを連想することがあります。とにかく、ありとあらゆるものに興味があって、ピョンピョンとはじけているイメージです。“何でもやりたい。やってみたい”この時期は、危険なことや汚れることが大好きですが、大きな心で見守って、存分に楽しませてあげてください。

3歳の頃になると、基本的な運動能力が伸びてきて、たいていのことは自分でできるようになります。指先も器用になり、お箸も少しずつ上手に使いこなせるようになるでしょう。この頃の特徴として、「先を見通す力」がついてきます。朝起きたら、顔を洗って、朝ご飯を食べる、といったように、“次はこれをして、こうなる”という、物事の順序がわかってきます。見通しが立てられるようになると自分なりの段取りで考えて行動するようになりますので、「先にこっち」と指図せずに、子どもの段取りを尊重してあげてください。

今までは一人遊びが中心でしたが、ほかの子どもと遊ぶことも増えてきます。お母さんの様子をまねて、ままごと遊びや、男の子はヒーローごっこなどに夢中になります。一緒に遊んでいても「自分が一番」なので、ケンカになることもありますが、ケンカをすることを「ダメ!」と叱るのではなく、何がいけないことなのかを伝えていくと、友達とふれあう中で、トラブルがだんだんと減り、イメージを共有して、ルールを守って遊べるようになってきます。「ごっこ遊び」を通して、人間関係や社会性、秩序を自然に学びます。

さて、指先も器用になり、ごっこ遊びも盛んになるころには、いろいろな物を頭にかぶったり、身体にまとったりして楽しみますが、ビニール袋には十分に注意してください。かぶって窒息する可能性があります。また、夏の頃はプールや海で水遊びをする機会も増えますが、大人の手の届くところで遊ばせ、絶対に目を離さないでください。自立の始まる頃から、突飛な行動をとるようになります。子どもが成長し、親も少し気のゆるみが出るのでしょうか、つい目を離すことがふえて、迷子や水の事故が増えてきます。

すでに保育園に通っているお子さんは別として、3~4歳頃になると、ほとんどのお子さんが幼稚園や保育園、子ども園等に入園を検討されることでしょう。では、どんな園を選べばよいのでしょうか?

子どもが、友達と思いっきり遊べる場所は成長にとって、とても必要な環境です。最近は地域で子どもが交流できる機会が少ないのですが、子ども同士が関係を結び、集団生活の中で社会性やルールを知ることはとても重要です。そして、少し親の手から離れ、自分で考えて行動する経験も必要です。自然に無理なく友達と関係を結び、自分で考えて行動することが学べる集団生活は子どもの育ちにとって必要不可欠であり、人と人とが関わり合い、自分の気持ちを相手に伝え、相手の気持ちを受け入れる、人間関係の基礎を養っていきます。

子ども達がのびのびと、個々のペースに合わせてゆったりと生活できる所が良いでしょう。笛の音で即座に整列ができるといったことが、見た目には賢く、ルールが守れると思いがちですが、そのようなことを重点的にしているよりも、子ども達が個性を発揮して、創意工夫して存分に遊べる環境が整った所が良いと思います。家庭ではできない五感を使ったさまざまな経験や、これから出会う友達、人間関係の中でさまざまな気持ちを抱くことで、心も体もたくましく成長していくことでしょう。

(T・T)