若いお父さん・お母さんのために はぐくみ

掲載日:2019年12月1日(日)

アレルギーと初めての離乳食 ~自己判断は厳禁です!~

生後五~六カ月頃から始まる離乳食。最初はアレルギー等の心配もあり、不安になりますよね。
アレルギーの仕組みを知り、安心して離乳食をスタートしてください。

お子さまが初めて口にする食材は、万が一アレルギー症状が出た時に原因が特定しやすいよう、一回の食事に一種類を少量ずつ始めるのが良いといわれています。そして、なんといっても食べさせる親御さんの余裕のある日に始めましょう。アレルギー症状の多くは、食後一~二時間以内に表れます。何らかの症状が表れた時は迷わずに病院で受診しましょう。そのためにも受診できる午前中に食べるのがお勧めです!

症状によっては、必ずしもアレルギーとは限りませんが、自己判断は厳禁です。万が一にも〝いつもと違う。機嫌が悪い。嘔吐・発疹〟等の症状が表れたら病院で受診し、蕁麻疹、赤み、かゆみと同時に、咳や息苦しさ等の複数の症状も表れる場合はアナフィラキシー(短時間のうちに全身にアレルギー反応が出て、死に至る可能性もある)の症状かもしれません。迷わず救急搬送を依頼しましょう。

食物アレルギーは成長とともに減少していくともいわれています。
 人は成長に伴い、消化機能や腸管の免疫システムが発達していきます。赤ちゃんが食べ物に対するアレルギー反応を起こしやすいのは、この二つが未熟なためだといわれています。大きくなるにしたがい消化機能や免疫システムも発達し、自然と食物アレルギーが治まっていく場合もあります。かかりつけのお医者さんと相談し、継続した受診をお勧めします。

光徳保育園グループリーダー(主任保育士) 松浦 友美

~健康コラム~「風邪とインフルエンザは違うの?」

風邪は発熱や咳やくしゃみ、鼻水、喉の痛み等の症状がみられ、インフルエンザは、風邪の症状に加え、悪寒やだるさ、関節痛等の全身症状がみられます。咳やくしゃみ等の飛沫で感染し、市販の薬ではなかなか治らないので病院で受診しましょう。

 乳幼児期は病気に対する抵抗力が未発達なため、風邪やさまざまな感染症にかかりやすいです。病気にならない体づくりをめざし、たくさん遊んで体力をつけ、免疫力をアップしたいですね!

純粋な心と笑顔にふれるために ふれあい

ADHDってなに?② ~困りごととその対応~

ADHD(注意欠如多動性障害)の方達はどのような場面で困っているのでしょう。
そして、私達はどのような支援をすればよいのでしょうか。
困った場面をあげながら紹介していきます。

あるADHDの方が事務職に就職しました。こういう方が仕事をする際に、〝口頭で受けた指示ができない。うっかりの物忘れ。電話対応で何を話したらよいかわからない〟など困ったことが起きることがあります。自分にも当てはまるものがあると思う方もいるかもしれませんが、ADHDの方はその頻度が高く、どれだけ頑張っても失敗をしてしまうのです。
 口頭での指示や抽象的な表現は、頭の中で整理ができず、混乱してしまいやすいのですが、ADHDの方は目で見て情報を得ることが得意な方が多いので、リストを作り、わかりやすい内容を視覚的に提示することでお互いに確認できますし、うっかりミスも少なくなります。電話対応では、対応マニュアルを作るとよいでしょう。
 環境面の支援の他には医療的なケアもあり、専門医への相談や投薬など医療がかかわることで改善される症状もあります。
 本人があきらめないことはもちろん大切ですが、家族や周囲の手助けは不可欠です。失敗体験が多かった人にとっては、達成しやすい目標を設定し、一つずつ達成していくことが大切であり、その積み重ねが自信につながります。
 もし、周りにADHDの方がいたら、友人を助けるように手を差し伸べてください。ほんの少しの気遣いが、相手には大きな助けとなるのです。

授産所高浜安立 グループリーダー(生活支援員) 石本 麻美

学校での困りごと(一例)

①長時間じっとしていることに他の人よりもエネルギーを使います。休憩時間に思いきり体を動かしたり、逃げ場を作ってあげましょう。
②置き忘れや物をなくすことが多いのも特性の一つです。メモを取る習慣をつけさせたり、忘れ物をした時の対応策を教えてあげましょう。
③学校からのプリントがぐちゃぐちゃになっていることがあります。そのような場合はファイルや箱の活用方法を教えてあげます。定期的に一緒に片づけをするのもよいでしょう。

いつまでも穏やかな日々を送るために よりそい

認知症になってもオムツは 使用しないために…①

あなたは自分が認知症になって介護されることを想像したことがありますか?

特別養護老人ホームでは「おむつはずし」や「自力歩行」など【自立支援介護】に力を入れる施設が増えています。介護職員がこの自立支援介護に取り組み、施設入所者のおむつが外れ、車椅子を使用しない生活が送れるようになった事例も多くあります。今回は、自立支援介護について紹介します。

自立支援介護では4つの基本ケアを実践します。
①水分…一日に必要とする水分量(1500㎖以上)を摂取する
②食事…栄養バランスが考えられた普通の食事を食べる
③排便…できる限り薬(下剤)に頼らずに排便リズムを整える
④運動…歩行を中心とした活動性のある生活
 この4つを重点的に介護に取り組みます。それではなぜ、この4つのケアが認知症高齢者にとっての「自立」に必要なのでしょうか。

▪水分について
 私達の体内の水分量は成人で体重の60%(高齢者で50%)です。この体内の水分が1~2%欠乏するだけで意識障害が起きます。人は一日に排泄物や不感蒸泄(発汗以外の皮膚および呼気からの水分喪失)から約2500㎖の水分が出ていきます。逆に、体内に入る水分が食事や細胞の燃焼水から約1000㎖あり、水分が欠乏しないためにも飲み水から残りの1500㎖以上補給する必要があります。細胞の生命活動にも水は重要で、一日に必要な水分量を摂取することで、脳も活性化し覚醒水準を高めることができるのです。

▪栄養について
食事についてはしっかり噛んで食べることが重要です。高齢になると刻んだものや柔らかい食事を摂りがちですが、私達が普段食べる普通の食事が一番栄養を摂ることができ、それを噛んで食べ続けられるように、口腔機能(義歯の適合など)を整える必要があります。おいしい食事をいつまでも食べられるように維持することが大切です。

生命活動を維持するためにも必要な「水」と、栄養を摂るために普通の「食事」を噛んで食べ続けられることが、認知症高齢者の自立に向けての一歩となります。

※【排便】・【運動】については次号で説明します。
 参考文献 国際医療福祉大学大学院 竹内孝仁教授 「介護の生理学」

特別養護老人ホーム・高浜安立荘 グループリーダー(介護員) 三久 将弘