第15回:少子・高齢社会の中の日本の福祉

掲載日:2017年4月28日(金)

前号でご紹介した「アンガーマネジメント(怒りの感情を自己管理する)」における「対症療法」と「体質改善」について具体的にご紹介します。

【対症療法】

その① [怒りの段階分け]
怒りを数値化し、自分がどれだけ怒っているかを客観的に把握します。
(0)  :怒りを感じない穏やかな状態
(1~3):「まぁいいか」で流せる軽い怒り
(4~6):ヤキモキした気持ちが残る、少し強い怒り
(7~9):憤りを感じるかなり強い怒り
(10)  :絶対に許せない人生最大の怒り
 点数をつけることに集中することで、怒りに向かっていた気持ちに歯止めがかかって、反射的な行動を防ぐのに役立ちます。

その② [魔法の言葉かけ]
気持ちが落ち着く言葉を5つ程度用意しておき、イラッとした時に自分に投げかけます。

その③ [思考停止]
怒りを放置すると感情が増幅してくるため、「ストップ」と自分に向かって唱え、イライラしている自分の思考を停止させます。

その④ [ものを観察する]
目の前にある物の特徴や良さを観察することで、怒りに向かっている思考を別のものにそらせ、気持ちを落ち着かせます。

その⑤ [その場を離れる]
一度、その場から離れて気分を落ち着かせます。

その⑥ [楽しいこと、好きなことを考える]
肯定的なことを考えることにより、否定的なことを軽減させることができます。

【体質改善】
その① [怒りの強さの段階をメモにとる]
いつ、何が起こり、それにどう対処したか、怒りの強さの段階をメモにとり、自分の怒りの種類を把握します。

その② [自分の怒りの種類を知る]
(1)どういう状況で怒ることが多いか
(2)怒った時、どういう行動をとっているか
(3)自分の行動がどんな結果をもたらしているか
 これが把握できれば、次に同じようなことが起こった場合に、適切な解決方法を見つけることができるようになります。

その③ [不要な思い込みを変える]
「思い込み」とは、自分の価値観のことです。この価値観を(1)OK(2)許容(3)NGに区分します。この3つの範囲をきちんと把握し、許容範囲を広げることが「体質改善」療法です。

「対症療法」と「体質改善」を練習すると、認知症高齢者も、介護する人も、不安やストレスを軽減できるようになります。

参考:『マンガでよくわかる怒らない練習』 安藤俊介氏監修