三徳くん!! 第4話  「かき氷と優しい手」

掲載日:2012年8月19日(日)

ある夏の暑い日、かき氷が大好きな三徳くんはメロン味を自分で作って食べ終えた後、まだ食べ足りずイチゴ味を作って食べました。イチゴ味のかき氷を食べ終わったころ、なんだか三徳くんはおなかが痛くなってきました。
「お母さん、おなかが痛くなってきちゃった」
「まぁ、大丈夫?あら、さっきもかき氷を食べてなかった?」とお母さん。
「うん、2杯も食べちゃった…」お母さんに叱られると思ったのでしょうか、いつもより三徳くんの声が少し小さいです。
「いま熱いお茶を入れてあげますからね」とお母さんはお湯を沸かし始めました。
「いくら暑いからといって、1日に2杯もかき氷を食べたのではおなかが冷えてしまうわ。熱いお茶でおなかを温めれば、きっとおなかの痛みが治るわ」
「お母さん、怒らないの?ぼく、かき氷を2杯も食べたのに」と三徳くん。
「おなかが痛いのだったら、まず痛みを治すのが先ね。それにあなたもおなかが痛い思いをしたのだから、もう二度と同じことはしないでしょう?」とお母さん。
「うん、よくわかったよ」

三徳くんはその日の出来事をお師匠さまに話しました。
「なるほど、三徳。大変だったのじゃな」
「はい、でもお母さんは優しかったんです。」
「お母さんは優しい手の働きをしたようじゃな。」
「優しい手ですか?」
「三徳、おなかが痛いときに、お前の手はどう動くかな?おなかをさすりにゆくじゃろう。手が怒っておなかを叩きにはいかんだろう?他人が苦しんでいるときに、自分のことと同じように、優しい手の働きができるかどうかが肝心なのじゃ。お母さんはお前を自分のことと同じように思ってくださるということじゃ。ありがたいな」
「はい、これからもっとお母さんの言うことを聞こうと思います。そして誰に対しても優しい手を差し伸べられるように頑張ります」

また新たな発見をした三徳くんでした。