お焼香の意味と作法

掲載日:2020年11月8日(日)

皆様こんにちは。法音寺の鈴木廣修と申します。 今回は、大変身近な仏教作法であるお焼香について解説していきます。

お焼香は何をしてるの?

まずはじめに、お焼香では何を燃やしているのでしょうか。実はお香を燃やしています。
一般的にお焼香で使われるお香は、主に東南アジアやインド原産の様々な香料を、細かくして混ぜたものになります。つまり、お焼香というのはお香を薫く作法なのです。
ちなみに、お線香を薫くのもお焼香のひとつです。なぜなら、お線香は色々なお香を練り固めて作ったもの、つまりお香だからです。

お焼香に対して香りのイメージが無い方も多くいらっしゃると思います。しかし、お焼香からは(種類や品質にもよりますが)大変心地よい香りが出るのです。
豆知識になりますが、お焼香の香りは煙から直接香るものではありません。なぜなら、香りの成分は燃える時の熱で、煙になる前に空気中に発散しているからです。

なぜお焼香は生まれた?

ここで次なる疑問です。なぜ仏教にはお香を薫く習慣があるのでしょうか。その理由は、仏教が生まれたインドという国にあります。

実は、インドとお香には昔から深い繋がりがあります。

インドはとても暑い国です。一番暑い時期になると、40℃を超える日も少なくありません。そんな土地でかつて問題になっていたのは、暑さから生じる様々な臭いでありました。

しかし、インドにはとっておきの対策があったのです。それが、お香でありました。インドはなんと世界屈指のお香の産地だったのです。そこで、インドの方々はそれを粉末にして体に塗ったり、焼いたりすることで、良い香りを楽しみつつ、様々な気になる匂いを消していったのです。
インドの方々はそうした生活を送ることで、自然とお香に対する関心を高めていったようです。やがて室内に客人を招く際も、あらかじめお香の香りを漂わせておくのが礼儀とされるまでに至りました。

さて、そうした環境で生まれたのが仏教です。つまり、仏教においてお香の作法が生まれるのは自然なことだったのです。
特に仏教では、仏様への敬いの心を表現する手段として、様々な場所でお香の香りを捧げていました。現代でいうお供えです。

以上のように、お香と仏教はインドという土地で深い因縁を結んでいたのです。実際に、日本へもお香と仏教は同時に伝来しています。 お香の作法の中でも、特にお焼香は古くから仏前で行われていました。

以上が、仏教でお焼香をするようになった歴史及び理由です。

お焼香の三つ意味

現在、お焼香をする意味は改めて三つにまとめられております。

  1. 仏様へのお供えのため
  2. 自身と周辺を清浄にするため
  3. 香りにより精進の力を増すため

1.仏様へのお供えのため

お供え物という物は、仏様への敬いの心を物に託して表現したものです。

お供えには、お花、灯明、食べ物、飲み物などがありますが、焼香の香りもそれと並ぶ大事なお供え物の一つなのです。

古くから『香は信心の使いなり』と言います。焼香により捧げられた香りは、私たちの敬いの心を仏様の元へ届けるのです。

2.自身と周辺を清浄にするため

お参りをする場所というのは、仏様やご先祖様をお迎えし、また、お送りもする大切な場所なのです。良い空間、香りで送迎するためにも、お香を薫いて自身と周辺を清めるのです。

3.香りにより精進の力を増すため

お香の香りには、私たちの汚れた心の浄化を助ける効果があります。

というのも、香りは嗅覚を通じてさまざまな感情や本能に影響を与えるからです。実際に、良い香りによって集中が促されたり、心がリラックス出来たりすることがあると思います。

現代的に言えば、アロマセラピーが近いのかもしれません。

お焼香の心得

お葬儀や法事の際に焼香の時間になると、ついつい作法ばかりが気になってしまいます。

しかし、お焼香で大事なものは心です。亡き人を弔う思いで、敬いの心をこめて、香りをお供えして下さい。

ちなみに、御葬儀の時に送るお香典というのは、もともと「お香を供える」という意味です。代わりにお金を送るのは、「どうぞこれでよい香りを捧げてください」という意味なのです。

お焼香の作法

一般的な日蓮宗の作法は次のようになっています。
(作法は宗派によって違います。また、地域によっても違う場合があります。)

焼香台の前に立ったら、まず合掌し一礼します。
右手の親指と人差し指でお香を軽くつまみ、静かに火種にそそぎます(一般参列者の場合1回)。
再び合掌して一礼し、席に戻りましょう。

最後に

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