第10回:少子・高齢社会の中の日本の福祉

掲載日:2017年3月24日(金)

老人ホームに対して、皆さんはどのようなイメージを持っていますか?「生活的に困窮している身寄りのない一人暮らしの高齢者が収容される場所」や「昔の養老院」というような暗いイメージを持っている方も昔は多くいらっしゃいました。しかし日本人の約4人に1人が65歳以上の高齢者となった現在では老人ホームの種類も増え、ひと口に「老人ホーム」と言っても実に多種多様なものになっています。

公的な施設としては「特別養護老人ホーム」、「養護老人ホーム」、「軽費老人ホーム」があり、民間が経営する「有料老人ホーム」も「介護付」、「住宅型」、「健康型」と種類があります。また自宅以外の高齢者向けの住まいとしては、「サービス付高齢者住宅」や「高齢者向け賃貸住宅」、そして認知症に特化した「認知症高齢者のグループホーム」などもあります。このようにたくさんの種類があるのは「子どもに自分の世話で迷惑をかけたくない」という気持ちで子どもと同居する高齢者が減ったなどの理由があります。

このように近年、老人ホームにはたくさんの種類があって数も多いので、「自分が楽しく過ごせる老人ホームもある」と思っていただきたいのです。「老人ホームはなんだか暗いイメージがあるから」と頭から否定するのではなく、老後を楽しく安心して過ごすための選択肢の一つとして考えていただきたいのです。

それぞれの老人ホームや高齢者向けの住まいの入居条件や費用等は異なります。これらの入居条件を事前に確認しておくことも大切です。確認する際に一番大切なこととして、必ず見学に出向き、雰囲気や費用、退去要件等を確認しておきましょう。

いずれにせよ将来、老人ホームを利用するかどうかに関わらず、老後を楽しく安心して過ごすことができるのが最優先事項です。

(K・T)

※家族形態別にみた65歳以上の者の構成割合推移

項目 1980年 2001年 2013年
①単独世帯 8.5% 13.8% 17.7%
②夫婦のみの世帯 19.6% 33.8% 38.5%
③子夫婦と同居 52.5% 27.4% 13.9%
④配偶者のいない子と同居 16.5% 21.0% 26.1%
⑤その他 2.9% 4.0% 3.8%

出典:厚労省大臣官房情報部 平成26年国民生活基礎調査(平成25年)